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2011.09.15 News

本校と併設校の京都伝統工芸大学校によるコラボレーション作品を海外で展示・発表します。

本校と併設校の京都伝統工芸大学校によるコラボレーション作品を海外(イタリア トレント)で展示・発表します。

これは共同制作により、建築家と木工職人、そして海外との文化的な交流を促進することを目的としています。
建築と工芸の学校を運営する本学院ならではの取り組みです。

作品展示にあたり、学内にて学生・教授から作品を募集し、コンペティションを行いました。

テーマは「木製のゆりかご」

44作品の応募の中から、出展作に選ばれた2つのデザインを京都伝統工芸大学校 木工芸専攻の学生・卒業生が制作しました。

完成した作品は、下記の日程で展示されます。
 ■開催地 イタリア トレント (イタリア北部に位置する木材関連の産業がさかんな街)
 ■展示会名「木のトリエンナーレ展」
 ■開催期間2011年10月14日〜24日

◇出展作品1
「子供の成長とともに成長するゆりかご」
  ・デザイン:宗本順三(京都大学名誉教授、本校特任教授)
  ・制作:小川大樹(京都伝統工芸大学校木工芸専攻 2002年卒業)
      :中村圭吾(京都伝統工芸大学校木工芸専攻 2002年卒業)

写真は作品完成までの様子です。
素材は、会津桐を使用。32枚の桐板をそれぞれの形にカットしていきます。

同じ形のように見えて、実は、それぞれ形が異なります。右の写真の円形の桐は、32のパーツの間に入る桐の部材。(円周のカットした面が美しく見えるように、一枚一枚に厚みの薄い桐の帯が巻かれています。)ほとんど見えないところにもこだわりをもって制作されています。

32のパーツのカット面をカンナで削っている様子。カットした面は平らでなく、丸みを帯びるように削られています。
そして、右写真は32のパーツをダボ(各パーツをつなげる丸棒)でつなげている様子。このダボはオーク材を使用。これも手作りです。

そしてこのデザインは、子供の成長とともに作品も成長するのがテーマなので、32のパーツをつなぎ合わせているだけでなく、中央で2つに分解でき、そこからパーツを増やせるようになっています。

最初はゆりかごとして使用。成長すれば、最終的にはベンチとして使用する設定です。

制作をするにあたり、気を使った点は、段取りよく制作すること。そしてそのものだけを完璧に仕上げるのではなく、実際に使うシチュエーションを考えて制作することだとおっしゃっていました。
見えないところにまでこだわりを持って制作されている様子が印象的でした。

制作者のお二人(左:中村圭吾さん 右:小川大樹さん)京都伝統工芸大学校 木工芸専攻の卒業生です。

完成作品(素材が桐なので軽い!)

写真左はゆりかご中央の分解した部分。接合した時にロックできる仕組みになっています!この仕組みを考えたのは制作者の2人。